素直になることの難しさについて
「素直に言うことを聞きなさい。」
誰しも言われたことがあるだろう。
ある人はお母さんに、
ある人は学校の先生に、
またある人は会社の上司に。
あるいは、言ったことがある人もいるだろう。
子供に、部下に、後輩に。
いわゆる”立場”が上から下の人へ出される指示を、
「文句を言わずに実行せよ」と言うことであるが、
最近言われたことのある大人はいるだろうか?
これは、大人になるほど、難しい。。
私も日々苦悩している。
子供の場合は、絶対に言われたことがあるだろう。
学校の中の先生と生徒という関係がまさにその上下関係だから。
「ここを覚えなさい」と言われれば、覚えたし、
「ここを掃除しなさい」となれば、掃除をしたし、
「走れ」と言われれば、走ったし、
「歌え」と言われれば、歌った。
そこに文句が入ることはきっとなかった。
みんな文句なく指示に従っていた。
なぜだろう。同調圧力?
いやいや、理由なんかないだろう。
みんな理由なんか求めずに、ただただ先生からの指示に従って動いていた。
なぜなら従った方が、先生から優秀と認められ、親から誉められ、困ったら誰かが助けてくれたからだ。
ではなぜ、大人になった今、
「素直になること」にこんなにも苦しんでいるのか?
①「子供の頃にもらっていた報酬」がないから?
それは、
・先生から「よくできた」と褒められること。
・親から「よくやったね」と誉められること。
これが、宿題や、テスト、受験の度に与えられた。
ところが今の大人はどうだろう?
報酬は、月に1回、自分の銀行口座に数字が増えるだけである。
きっと、報酬の種類が違うし、頻度が足りないのだろう。
②自分を否定することが怖いから?
大人になれば、自分の行いに結果とその責任が伴うことを学習する。
失敗した時の責任は取りたくないので、どうしても行動が消極的になってしまう。
だから、行動するときは、既に成功が確定したような「安全な道」を選んでしまう。
だから、失敗するかもしれないような道というのは、怖い。
たとえ、成功するかもしれないとしても、恐怖には勝てない。
「素直になるとは、今の自分を”肯定的に”否定すること。」であるのに、それがわかっていても大人は、素直になることが怖いのだ。
③死なない程度に賢くて、生き延びれぬ程度にバカな僕らだから?
大人は、人生を経験して賢くなるので、
自分を守るために、ありとあらゆることを学び、対策する。
つまり「嫌なことは回避した方がいい」と経験する。
ここまではどんな人間でも学習するが、問題はこの後。
「嫌だけど自分のためになることがある」という経験。
ここが、きっと瀬戸際であり、これに気づいてかつ行動に動かせる人がどれだけいることか。
だから、
・もっといっぱい誉めてくれる人がいる環境
・ちょっと怖いことにも挑む勇気を持つこと
・「嫌だけど自分のためになることがある」という経験
これらが素直になるためには、必要なんじゃないかなと思う。
私も日々苦悩している。